DXFファイルのエクスポート
PC-MAPPINGで作成したデータを、DXFファイルフォーマットに変換します。
- ■ バージョン
- GX5/R12Jレベル(固定小数点)
ただし、エクスポートできる要素タイプには制限があります。
詳しくは、以下の「■ 詳細情報」をご覧下さい。
- ■ 操作方法
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- [ファイル]-[エクスポート]-[DXF(AutoCad)]を実行します。
- [DXFデータのエクスポート]ダイアログボックスが表示されますので、以下の設定を行います。
- オプション
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- [実座標で出力]チェックボックス
-
- ONの場合
- 実空間での座標でエクスポートされます。
- OFFの場合
- 縮尺を考慮した紙面座標でエクスポートされます。
- [3Dフォーマット出力]チェックボックス
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- ONの場合
- ベクター要素のZ値情報を保持して出力します。
- OFFの場合
- Z値情報のない2Dフォーマット形式で出力します。
- [固定小数点出力]チェックボックス
-
- ONの場合
- 長さや座標の値を固定小数点で出力します。浮動小数点を読み込めない場合はこちらを使用して下さい。
- OFFの場合
- 長さや座標の値を浮動小数点で出力します。
- [ポリゴンを分解して出力]チェックボックス(*)
-
- ONの場合
- CAD側で塗りつぶしができない複雑なポリゴンをバンド状に4角形に分割して出力します。
※ただし、データサイズも処理時間も10-100倍以上になる場合があります。
- OFFの場合
- ポリゴンの形状をそのまま出力します。5角形以上のポリゴンについては色塗りされません。
- [ポリゴンをHATCHとして出力]チェックボックス(*)
-
- ONの場合
- R14J以降の"HATCH"要素としてポリゴンデータを出力します。
- (*)は両方ともチェックをONにする事はできません。
- いずれかのみチェックON、もしくは両方ともOFFにします。
- [R13J相当で出力(デフォルトはGX5/R12J)]チェックボックス
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- ONの場合
- 複数の属性が表記される場合、MTEXT(マルチテキスト)で出力をします。
また、内部属性のフィールドに"Group"があれば、同じ名前のフィールドを持つデータをグループ化して出力できます。
- OFFの場合
- DXFのバージョンをGX5/R12J相当で出力します。
- [複数行をMTEXT(マルチテキスト)形式で出力]チェックボックス
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- ONの場合
- 複数行の属性が表記されている場合、改行してMTEXT(マルチテキスト)形式で出力します。
ただし、表示設定で「横並びで表示」の設定がされている場合は、TEXT(テキスト)形式で出力します。

- OFFの場合
- TEXT(テキスト)形式で出力します。

- [イメージも出力(R14J相当)]チェックボックス
- ONの場合、[レイヤーエキスパート]-[イメージ]パネルに登録されたイメージを出力します。
プルダウンからPNG・TIFF・JPEGの各形式から出力するイメージのファイルタイプを選択して下さい。
イメージの図郭情報はR14J相当のフォーマットでDXFファイル内に記述されています。
- 【イメージの命名規則について】
- 背景イメージファイルに関して、可能であれば、元の画像のファイル名を使用します。
ただし、元の画像にパス名がない(内部データ)場合は、そのタイトルが使用されます。
また、ファイル名となるものに空白や記号類がある場合は'_'(アンダースコア)に置き換えられ、結果として、同一のファイル名が出現する場合は1、2などの序数が末尾に追加されます。
- [半角文字幅の調整]チェックボックス
- ONの場合、半角文字に関してPC-MAPPING内部の全角相当文字幅からその半分の文字幅を指定指定して出力します。
※文字列全てが半角の場合のみ「半角文字」と判定されます。
- 線幅の単位(mm)
- 線幅を指定した単位に換算します。
PC-MAPPING上の線幅が0.2(mm)、このオプションが1の場合は0.2*1=0.2で出力します。
- 文字サイズの単位(mm)
- 文字サイズを指定した単位に換算します。
PC-MAPPING上の文字サイズが2(mm)、このオプションが1の場合は2*1=2で出力します。
- [文字コードはUTF-8]チェックボックス
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- ONの場合
- 文字コードをUTF-8でエクスポートします。
- OFFの場合
- 文字コードを従来通りSHIFT-JISでエクスポートします。
- 出力先
- DXFファイルの出力先フォルダーを検索します。
- 同時にエクスポートするレイヤー
- レイヤーを1画層にまとめてエクスポートする場合に選択します。
全レイヤーを1画層にまとめる場合には、<すべて選択>ボタンを押して下さい。
- 以上の設定が終了しましたら、<OK>ボタンを押して下さい。
- ■ 詳細情報
- PC-MAPPINGで作成されたデータは、以下の形式でDXFフォーマットに変換されます。
また、アプリケーションの持つ性格上置き換えのできない情報や、何らかの制約を受ける場合には、若干、元の情報とは差違のある代替情報に置き換えます。
- レイヤー情報
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- レイヤー名
- [レイヤーエキスパート]-[ようこそ]に表示されるレイヤー名が画層名に反映されます。
PC-MAPPINGのレイヤー名にAutoCAD側で認識されない可能性のある、半角の英数、$(ドル)、-(ハイフン)、_(アンダースコア)、全角文字の数字0以上のコードを除く文字は、半角_(アンダースコア)に変換されます。
- 図郭情報
- 図郭サイズを図面範囲($LIMMIN $LIMMAX)に書き出します。
図郭領域外にデータが存在している場合には、データの存在域をオブジェクト範囲($EXTMIN $EXTMAX)に書き出します。
- 線種情報
- 以下のように変換されます(拡張スタイル、ダッシュスタイルについては、適当な線種に置き換えられます)。
実線 | CONTINUOUS |
破線 | DASHED |
点線 | DOT |
一点鎖線 | CENTER |
二点鎖線 | PHANTOM |
陰線 | なし |
- ベクター要素
- 以下のように変換されます。
アーク | 2Dポリライン/3Dポリライン |
〃 (補間点) | 2Dポリライン/3Dポリライン |
〃 (方向) | 2Dポリライン/3Dポリライン |
ノード(端点) | 2Dポリライン/3Dポリライン |
〃 (結合点) | 円 |
注記属性 | 文字列 |
複数行の注記属性 | マルチテキスト |
ポリゴン(境界部分) | 隣接するポリゴンの境界は1本のポリラインになる |
〃 (塗りつぶし) | 4角形までソリッド(5角形以上はポリゴンを分割して塗りつぶしが可能) |
ポイント | 点(点スタイル管理)
点表示サイズ(PDSIZE):1.5/点スタイル(PDMODE):35 |
ベクターシンボル | 2Dポリライン/3Dポリライン |
【注意点】
[レイヤーエキスパート]-[ポイント]で
- [シンボル]チェックボックスがON
- [点位置]チェックボックスがOFF
の場合は、ポイントデータとして出力されません。
また、3Dフォーマットにチェックが入っていてもZ値は無視され、2Dの情報になります。
[点位置]がONの場合は、ポイントデータとして、また3D情報を保持したまま出力されます。
また、
- シンボルがベクターシンボルで描画されている場合は、ポイントとしてではなく、ベクターシンボルそのものがアークとして出力されます。
- シンボルがビットマップシンボルで描画されている場合は、シンボルは出力されません。
- フィールドのスタイル
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カラー型 | 文字列またはベクター要素の色に反映されます |
度分秒型 | 文字列に反映されます |
文字サイズ型 | 文字サイズに反映されます(幅÷高さ=縦横比) ※ピッチの設定は無視されます |
文字整列型 | 文字列の位置合わせに反映されます |
回転角度型 | 反映されます |
サークル表示型 | 二重円/フィル無視/円周スタイル無視 |
日付型 | 文字列に反映されます |
時刻型 | 文字列に反映されます |
日付時刻型 | 文字列に反映されます |
文字ボックス型 | ポリライン/ソリッド |
それ以外のスタイル(型)については、無視されます。
- 色情報
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- DXFフォーマットで表現できるのは256色です。
よって、PC-MAPPINGの描画パラメーター等で256色以外の色を指定していると、DXFエクスポート時に近似色で出力しますので、色が異なります。
- ポリゴンブラシのハッチ、拡張ハッチを表現する事ができませんのでスタイルはソリッド(ベタ塗り)で出力されます。
- 点データ(POINT)で、内部属性フィールドに描画サブキーとして指定されるカラー型がある場合、このカラー値をPOINTのカラー情報として出力されます。
- 面情報
- DXFフォーマットのポリライン(PC-MAPPINGのポリゴン)は5角形以上の多角形形状を表現する事ができません。
よって、エクスポート時のオプション[ポリゴンを分解して出力]チェックボックスをONにして、3・4角形ポリラインに分割してエクスポートする必要があります。
- ■ iniファイルによる設定
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- 縦書きフォントを横書きフォントに変換
- 現在、縦書きフォントもサポートしていますが、受け側のソフトウェアによっては、縦書きフォントを持つDXFファイルが読み込めない場合があります(AutoCADでは問題なく読み込みできます)。
その場合の対処方法として、Pcm.exeと同じフォルダーにあるpcm.iniを編集して、以下の2行を追加、上書きを行った後、DXFファイルにエクスポートして下さい。
[DxfDev]
TATEGAKI=0
- 全角・半角文字が混在する文字列の取り扱い
- PC-MAPPINGでは、全角・半角文字を完全に分けて扱っています。
つまり、文字幅は全角1文字を単位として設定するので、半角はその1/2を指定して表示します。
しかし、AutoCADでは全角も半角も同じ指定の幅で表示します。
また、PC-MAPPINGでは、プロポーショナルフォントに対応しているので「フォントサイズ」指定時に「固定ピッチ」をONにしなければ可変ピッチとなるので文字毎に幅が変化し、これに伴い文字列の幅も変化します。しかし、AutoCADでは一般に固定ピッチで扱われます。
したがって、これらの相違よりPC-MAPPINGでの表示をDXF/AutoCAD上でその相対位置関係を保持して表記する事は一般に困難です。
対処方法としては、「固定ピッチ」をON、ピッチ指定を行い、計算フィールド「ToZen()」を使用して文字列を全角にしたものを表示します。
なお、デフォルトでは「固定ピッチ」をONにしてインポートしますが、Pcm.iniファイルで
[DxfIn]
FontSizeFlag=0
と記述されている場合、「固定ピッチ」をOFFにしてインポートします。
- ■ 補足
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- 拡張データについて
- 内部属性に「RMK」フィールドがあれば、グループコード「1000」の拡張データ(拡張EntityデータのASCII文字列、255Byteまで)に記述して出力します。
- エクスポート時のベクター表示について
- エクスポートする際、ノード(結合点・端点)やアーク方向矢印、文字ボックスの引き出し線を表示したままDXF形式にエクスポートすると、それらもベクターデータとして出力されます。
ノードのシンボル等、不必要な場合は、表示モードで非表示に設定してからエクスポートして下さい。
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