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DXFファイルのインポート
CADの標準互換フォーマットであるDXFファイルをPC-MAPPINGの形式に変換します。
バイナリ形式のDXF(DXB)はサポートしていません。
■ バージョン
GX-5レベル、R12, R13, R14, 2000
ただし、要素タイプによっては取り込めない可能性があります。
詳しくは、「■ 詳細情報」を参照して下さい。

■ 操作方法
  1. [インポート]-[CAD]-[DXF(AutoCad)]を実行します。

  2. [DXFインポート]ダイアログボックスが表示されますので、以下の設定を行います。
    条件設定
    元図面の単位
    DXFには長さの単位という概念がありません。
    DXFに収められている線分の長さをm・mm・inch・cmのどれに換算するのかを設定します。
    縮尺
    縮尺を指示します。
    線幅の単位(mm)
    線幅を指定した単位に換算します。
    例えば、DXF上の線幅が20、このオプションの単位が0.01の場合は、20*0.01=0.2(mm)で取り込まれます。
    文字サイズの単位(mm)
    文字サイズを指定した単位に換算します。
    例えば、DXF上の文字のサイズが200、このオプションの単位が0.01の場合は、200*0.01=2(mm)で取り込まれます。
    [文字は固定ピッチ]チェックボックス
    ONの場合、固定ピッチでインポートします。
    [半角文字幅の調整]チェックボックス
    ONの場合、半角文字に関してフォントの文字幅を指定されたものからPC-MAPPING内部の全角相当文字幅に変換します。
    ※文字列全てが半角の場合のみ「半角文字」と判定されます。
    [レイヤー分けをする]チェックボックス
    ONの場合
    データの種別毎に各レイヤーに分けて読み込みます。
    レイヤーの分けの判定は、"画層名"が同じものが1つのレイヤーになります。
    [空のレイヤーも生成する]チェックボックス
    ONの場合、データの存在しない空のレイヤーも生成します。
    OFFの場合
    全てのデータを1レイヤーに読み込みます。
    [ファイル単位にレイヤー分けをする]チェックボックス
    ONの場合
    DXFの1ファイルを1レイヤーにして読み込みます。
    OFFの場合
    全てのデータを1レイヤーに読み込みます。
    [ブロックの挿入点にポイントを発生させる]チェックボックス
    ONの場合
    ブロックデータの挿入点にポイントを発生させます。
    OFFの場合
    ブロックデータの挿入点にポイントを発生させません。
    ブロックデータのレイヤー
    DXFデータ内に、ブロック(複合図形)が存在する場合、展開先のレイヤーを指定します。
    ブロックの置かれたレイヤー
    ブロック(複合図形)が登録されているレイヤーに展開します。
    各要素のレイヤー
    ブロック(複合図形)の要素が存在する各レイヤーに展開します。
    座標系
    変換後の座標系をペーパー座標系にするか、直交座標系にするのかを選択します。
    直角座標系を指定した場合、「系」情報を設定します。
    変換後の図郭設定
    オブジェクト範囲($EXTMIN $EXTMAX)情報または、図面範囲($LIMMIN $LIMMAX)から選択します。
    DXFの図形範囲を図郭とする場合、$LIMMAX/$LIMMINを選択します。
    図形範囲を超えたところにも図形が存在し、その図形を含めた全領域を図郭範囲としたい場合には、$EXTMAX/$EXTMINを選択して下さい。
    [曲線パラメーターを保持しない]チェックボックス
    ONの場合
    アーク線形以外の曲線パラメーターを取り込みません。
    メモリを節約する事ができますので、円・円弧等の記号が大量に存在するDXFファイルを、背景図として利用する場合等に有効です。
    OFFの場合
    全ての曲線パラメーターを取り込みます。
    [文字コードはUTF-8(AutoCAD2007以降)]チェックボックス
    ONの場合、文字コードはUTF-8と解釈してインポートします。
    読み込むファイル
    ファイル拡張子*.dxfをDXFファイルとして認識します。ファイル形式はテキスト形式のみサポートしています。
    複数のDXFファイルを同時に読み込んで1つのプロジェクトファイルを作成する事も可能です。

  3. 以上の設定が終了したら、<OK>ボタンを押して下さい。

■ 詳細情報
DXFデータの情報はPC-MAPPINGに読み込まれる際に以下のように置き換えられます。
また、アプリケーションの持つ性格上置き換えのできない情報や、何らかの制約を受けて、若干、元の情報とは差違のある代替情報に置き換わる事がありますので注意して下さい。
テーブル(TABLES)情報
画層情報(LAYER)
DXFで持っている画層情報はPC-MAPPINGのレイヤーとして変換されます。画層名はそのままレイヤー名となります。
全画層を一つのレイヤーに集約して変換する事も可能です。

線種情報(LTYPE)
PC-MAPPINGでは、AutoCADで用意されている[aclt.lin]または[acltiso.lin]という線種データファイルの内容を標準としています。
線種情報はPC-MAPPINGにインポートされた時点で、描画パラメーターが自動生成され、アークの描画ペンに設定されます(ユーザーが定義した線種については、「ダッシュスタイル」で反映できるものもあります)。
必要であれば、アークの描画ペンの設定を編集するか、アークの<PenStyle>フィールドの値を変更して下さい。
▼ 線種変換対応表
DXFPC-MAPPING
CONTINUOUS実線
DASHED(X2)破線
DASHDOT(X2)一点鎖線
DIVIDE(X2)二点鎖線
DOTS(X2)点線
PHANTOM(X2)二点鎖線
CENTER(X2)一点鎖線
HIDDEN(X2)鎖線

線幅情報
LINE(線分)の太さには、画層に設定された線の太さと、個別の図形に設定された線の太さがありますが、DXFでは個別の図形に設定された線の太さが優先されます。
線幅情報はアークの内部属性Width(実数型)フィールドに設定されます。
線幅が設定されていない場合は、[Default(デフォルト値)]となり、通常は「0.25mm」となります。

色情報
各ベクター要素の内部属性にカラー型フィールドが作成されます。
AutoCADカラー番号1-9規定カラー、250-255グレー、10-249パレットカラーが全てサポートされますが、システムの差違により微妙な色差が出る場合があります。

エンティティ情報(ENTITIES)情報
DXFに格納されている図形情報は、以下のようにPC-MAPPINGへのインポート時に変換されます。
文字
TEXT(文字)
PC-MAPPING上でポイントを発生させ、ポイントの内部属性として文字列を格納します。
指定のデフォルトフォント、または代替フォントテーブル(ユーザー設定)を参照してPC-MAPPING側のフォントとして以下の内部属性フィールドに登録しますが、AutoCADのフォントとの字体の差違により、文字サイズ、位置合わせが原図通りに表現できない場合があります。
文字列の回転は再現されますが、文字毎(字体)の回転は反映されません。

MTEXT(マルチテキスト)
PC-MAPPING上でポイントを発生させ、ポイントの内部属性として文字列を格納します。
マルチテキスト内で改行されている文字列は、1列に置き換えられます。
また、文字列の回転、文字の色、位置合わせは再現されますが、それ以外の書式コードは反映されません。
▼ 位置合わせ
縦方向の位置合わせ横方向の位置合わせ
DXF(上辺)左上上中心右上
PCM左上上中心右上
DXF(中央)左中央中央中心右中央
PCM左中央中央中心右中央
DXF(底辺)左下下中心右下
PCM左下下中心右下
DXF(基準線)中心両端中央フィット
PCM左下下中心右下下中心下中心下中心
▼ フォント情報対応表
フィールド名データ型
文字列Text文字型
文字サイズSize文字サイズ型
位置合わせAlign文字整列型
回転Rotation回転角度型
Colorカラー型

ATTRIB(属性)
TEXT(文字)とほぼ同様に処理されます。
PC-MAPPING側では、ATTRIBというフィールドを生成し、ON/OFFを設定します。

図形
項目名種類
ARC円弧アークの折れ線にして表現します。
→「■ 補足」参照
CIRCLEアークの折れ線にして表現します。
→「■ 補足」参照
LINE線分アークとして変換されます。
POINTポイントとして変換されます。
POLYLINEポリラインアークとして変換され、補間点、折れ線にして表現します。ポリメッシュは解釈されずただのポリラインとして扱われます。円滑化(スプライン等)の情報は解釈されません。線幅は「開始幅の既定値」が採用されます。
SOLID塗りつぶし4角形までのSOLIDをポリゴンにして塗りつぶします(5角形以上は無視されます)。
TRACE太線指定の領域をポリゴンにして塗りつぶします(SOLIDと同じ)。
SPLINEスプラインアークとして変換され、補間点、折れ線にして表現します。
LWPOLINEライトウェイトポリラインポリラインと同様に折れ線にして表現します。
従来のポリラインと比較してデータ量は小さくなります。
3DPOLY3次元ポリラインポリラインと同様に折れ線にして表現します。ポリライン頂点のZ値が、アーク補間点のZ値に変換されます。
HATCHハッチング面データとして専用のレイヤーに取り込まれます。
→「■ pcm.iniによる設定」参照

BLOCK(複合図形)
上述の要素が反映されます。
※ネストされたBLOCKの変換は保証されません。
正しく変換されなかった場合はBLOCKを分解する等、ネストを解いた状態で変換処理を行って下さい。

GROUP(グループ)
グループ設定されているベクター要素の内部属性にGroup名が格納されます。
複数のベクターを1つの要素として操作するグループ機能は無視されます。

その他
以下の要素は完全に無視されます。
  • SHAPE(シェイプ)
  • ATTDEF(属性定義)
  • 3DFACE(3次元面)
  • DIMENSION(寸法図形)など。

■ iniファイルによる設定
円・円弧について
円・円弧は補間点を配置したアーク(擬似円)に変換されます。
[条件設定]の解像度の値に関係なく、擬似円の補間点数が少ないためギザギザに見える場合があります。
このような場合、PC-MAPPINGのインストールフォルダーにある「pcm.ini」ファイルを開き、「DxfIn」セクションの「SplineTh=」を検索して下さい。
この設定がされていない場合のデフォルトは「0.025」です。よって
[DxfIn]
SplineTh=0.001

のように記述して下さい。

「バルジ(頂点のふくらみ)」について
DXFのグループコード=42のデータをインポートした場合、
pcm.iniファイルで、
[DxfIn]
NoBulge=1

とする事で、バルジ処理を抑制してインポートします。
▼ INI指定なし(デフォルト)
▼ INI指定あり

"HATCH"について
「レイヤー分けをする」チェックボックスがONの場合、"HATCH"項目を面データとして専用の別レイヤー(「レイヤー名+HT」)に取り込みます。
pcm.iniファイルで、
[DxfIn]
HatchLayer=0

とする事で、本来のレイヤーに取り込まれます。

全角・半角文字が混在する文字列の取り扱い
PC-MAPPINGでは、全角・半角文字を完全に分けて扱っています。
つまり、文字幅は全角1文字を単位として設定するので、半角はその1/2を指定して表示します。
しかし、AutoCADでは全角も半角も同じ指定の幅で表示します。
また、PC-MAPPINGでは、プロポーショナルフォントに対応しているので「フォントサイズ」指定時に「固定ピッチ」をONにしなければ可変ピッチとなるので文字毎に幅が変化し、これに伴い文字列の幅も変化します。しかし、AutoCADでは一般に固定ピッチで扱われます。
したがって、これらの相違よりPC-MAPPINGでの表示をDXF/AutoCAD上でその相対位置関係を保持して表記する事は一般に困難です。
対処方法としては、「固定ピッチ」をON、ピッチ指定を行い、計算フィールド「ToZen()」を使用して文字列を全角にしたものを表示します。
なお、デフォルトでは「固定ピッチ」をONにしてインポートしますが、Pcm.iniファイルで
[DxfIn]
FontSizeFlag=0

と記述されている場合、「固定ピッチ」をOFFにしてインポートします。

■ 補足
拡張データについて
グループコード「1000」の拡張データ(拡張EntityデータのASCII文字列、255Byteまで)があれば、これを「RMK」フィールドに取り込みます。

文字サイズについて
文字サイズ、ピッチ等の考え方が異なるので厳密に一致する事は困難ですが、近い状態で表示されるよう対処しております。
極端に異なる場合は、PC-MAPPINGの[ファイル]-[システム環境]-[システム環境設定]-[表示と印刷]パネルの
  • [描画、印刷時の注記サイズを調整する]チェックボックス
  • [固定ピッチの場合のフォント幅を調整する]チェックボックス
  • [半角文字の縦書き対応]チェックボックス
のON/OFFで調整して下さい。