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浸水想定ベース地図作成
標高メッシュを用いて、浸水想定を行う上でベースとなる地図を生成します。
処理後は、新規にレイヤーが作成され、そのレイヤーの「背景イメージ」にランキング処理によって色塗りされたイメージが登録されます。
この機能を使用する際には、プロジェクトに標高メッシュが登録されている必要があります。
■ 概要
ベース地図作成の手法には以下の2つがあります。
@指定の高さ毎に一定の高さまで色塗りしたイメージを作成します。
A「浸水開始」地点と浸水高(高さ)を指定してそこからどこまで、浸水しうるかを色塗りしたイメージを作成します。
@と異なるのは、単にその地点の高さだけではなく、周囲の高さなども考慮される点で、例えば、指定の浸水高より高い自然堤防の内側にある領域はたとえその高さは低くても浸水しない、とされる点です。
浸水や河川氾濫想定区域図などのハザードマップ自体は、人工的構造物や土壌などの情報を加味して、決壊箇所や流量などを仮定した上で、経過時間ごとの浸水予測図などを作成しますが、それらの一連の人為的作業の最初のステップとしての土地の高さを評価するベースマップとしての利用を想定しています。
※作成されたイメージは、レイヤーの背景イメージに登録されます。

■ 設定方法(地盤高)
  1. 以下のような標高メッシュを登録したプロジェクト上で、[ツール]-[標高メッシュ効果・解析]-[浸水想定ベース地図作成(地盤高)]を実行します。

  2. [浸水想定ベース地図作成(地盤高)]ダイアログボックスが表示されますので、詳細設定を行い、<OK>ボタンを押します。
    ランク
    浸水した状態をわかりやすく表現するために、標高メッシュの高さとそれに対する色をランク設定します。
    浸水開始地点を指示して、指定の高さまでを浸水想定する
    マウスで指示した「浸水開始地点」から、浸水高さ(m)を指定して浸水領域を判定します。
    設定した高さ以上の障害物があった場合には、その位置で浸水領域の判定をストップします。
    そのため、指定の浸水高より高い自然堤防の内側にある領域は、例えその高さは低くても浸水しない結果となります。
    浸水開始地点からの想定到達距離を限定する
    浸水の想定高さに関係なく、これ以上の距離では、浸水判定しません(実際、あまり遠方まで浸水するわけではないので、処理時間の短縮にもなります)。
    水部・無効領域を境界としない
    標高メッシュデータの情報として、水部(-9999)または無効領域(-9998)があった場合、その位置で浸水領域の判定をストップします。
    前景レイヤーの選択アークを境界線とみなす
    前景レイヤーの選択アークを浸水の境界とし、それより先の領域は浸水しません。

  3. 設定を行い、<OK>ボタンを押すと、以下のような結果となります。
    ▼ 指定の高さ毎に一定の高さまで色塗りした場合


    ▼「浸水開始」地点と浸水高(高さ)を指定した場合


    ▼「浸水開始」地点と浸水高(高さ)と想定到達距離を指定した場合
    指定した起点から想定到達距離までの範囲内でランキングによる色塗りがされます。

■ 設定方法(浸水高)
浸水想定ベース地図作成(地盤高)とは異なり、ランキングによる色塗りを(絶対的な)地盤高ではなく、設定した高さから地盤高を引いた、すなわち、浸水高に相当する値でおこないます。
例えば、浸水高が50cm以下は床下浸水、それ以上は床上浸水などのシミュレーションに利用できます。
  1. 以下のような標高メッシュを登録したプロジェクト上で、[ツール]-[標高メッシュ効果・解析]-[浸水想定ベース地図作成(浸水高)]を実行します。
    [簡易浸水想定地図作成(浸水高)]ダイアログボックスが表示されますので、詳細設定を行い、<OK>ボタンを押します。

  2. 設定を行い、<OK>ボタンを押すと、以下のような結果となります。
    地盤高から2mを差し引いた値でランキングによる色塗りがされます。
    ▼ 浸水の「想定高さ」を2mに指定した場合


    ▼ 断面図で地盤と浸水想定高を見た場合

■ 注意
解析に使用される標高メッシュデータは[プロジェクトエキスパート]-[標高メッシュ・TIN]パネルに登録された標高メッシュデータです。
例えば、「基盤地図情報ダウンロードデータ」のメッシュデータを使用する場合、インポート時のオプションで[分割して広域ベクターとして取り込む]チェックボックスをONにして生成される【統合標高メッシュファイル】を使用しているプロジェクトでは、「浸水想定」等、通常の標高メッシュに関するメニューには現状未対応です(チェックをOFFにしてインポートしたデータを使用して下さい)。