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【空間統計解析】ポリゴンオーバーレイによる集計
指定された2つのレイヤーのポリゴンの重なり(オーバーラップ)部分の集計(「面積クロス集計」と「面積按分集計」)を行ないます。
■ 面積クロス集計
  1. 以下のようなプロジェクトがあるとします。
    ポイントから生成された円形状のバッファポリゴンと、区域ポリゴンの重なる部分の面積を集計します。

  2. [ツール]-[空間統計解析]-[ポリゴンオーバーレイによる面積クロス集計]を実行すると、[ポリゴンオーバーレイによる面積クロス集計]ダイアログボックスが表示されます。
    [第1レイヤー]・[キーフィールド]
    処理の対象となる1つ目のレイヤー(ここでは駅から半径を指定したバッファポリゴンのあるレイヤー)と集計に使うフィールドを指定します。
    [第2レイヤー]・[キーフィールド]
    処理の対象となる1つ目のレイヤー(ここでは区域ポリゴンのあるレイヤー)と集計に使うフィールドを指定します。

  3. <OK>ボタンを押すと、新規に属性データベース(第1レイヤー名_第2レイヤー名)が作成され、集計結果が表示されます。

    例えば、集計結果DBを見ると、「会津若松駅」ポリゴンと「白虎町」ポリゴンの重なる部分の面積は「121,721.0」である事が分かります。
    下では[編集]-[ポリゴン処理]-[ポリゴンオーバーレイ]でオーバーレイ結果のレイヤーを作成し、面積を転記したものですが、その結果と同様です。
    「ポリゴンオーバーレイ」と異なり、「ポリゴンオーバーレイによる面積クロス集計」では別レイヤーにポリゴンを作成しなくても重なる箇所の面積をデータベースで確認する事ができます。

    【出力時オプション】
    @[(マトリックス状ではなく)フラットなデータベースを生成する]チェックボックス
    :ONの場合、2つの指定レイヤーとそのフィールドに対し、全てをクロス集計した結果が結果DBに出力されている事が分かります。
    ▼ OFFの場合
    ▼ ONの場合
    A[ロウ方向の面積がゼロの組み合わせは出力しない]チェックボックス
    :ONの場合、「町北町大字藤室」とオーバーレイする駅バッファーポリゴンの面積がいずれも0のため、結果DBには出力されていない事が分かります。
    ※「ロウ方向」は「レコード」、「カラム方向」はフィールドに当たります。
    ▼ OFFの場合
    ▼ ONの場合

■ 面積按分集計
  1. 以下のようなプロジェクトがあるとします。
    ポイントから生成された円形状のバッファポリゴンと、区域ポリゴンの重なる部分で、その重なりの率(オーバーラップ率)に応じて、地域ポリゴンの属性「人口」を按分集計します。

  2. 例えば、下の強調色区域の場合、バッファポリゴンにより切り取られる面積は全体の71.1%であり、
    • 356(=区域全体人口)*71.1/100
    で、オーバーレイする範囲に該当する人数はおよそ253人と考えられます。
    このような処理を、バッファと重なる区域全てに対して計算し、集計します。

  3. [属性]-[ポリゴンオーバーラップ率の転記]で%を出し、それを元に集計する事もできますが、下の場合のように一つの区域に2つ以上のポリゴンが重なるとなると、転記される率は
    • 駅1のバッファポリゴン(赤)とのオーバーラップ率=5.4%
    • 駅2のバッファポリゴン(緑)とのオーバーラップ率=30.5%
    を合計した「35.9%」が転記され、「駅1からのバッファと重なる部分」「駅2からのバッファと重なる部分」それぞれを個別に集計する事ができません。

  4. [ツール]-[空間統計解析]-[ポリゴンオーバーレイによる面積按分集計]を実行すると、[ポリゴンオーバーレイによる面積按分集計]ダイアログボックスが表示されます。
    [第1レイヤー]・[キーフィールド]
    集計元のポリゴンがあるレイヤー(ここでは駅から半径を指定したバッファポリゴンのあるレイヤー)と集計区分に使うフィールドを指定します。
    [第2レイヤー]・[集計フィールド]
    集計按分したいポリゴンの存在するレイヤー(ここでは区域ポリゴンのあるレイヤー)と、按分処理したいデータフィールド名を指定します。

  5. <OK>ボタンを押すと、新規に属性データベース(第1レイヤー名×第2レイヤー名)が作成され、集計結果が表示されます。