属性転記(レイヤー内/レイヤー間)での優先フィールド指定について
[属性]-[属性転記(レイヤー内)]、[属性]-[属性転記(レイヤー間)]は、レイヤーの要素間の空間的関係に基づいて、転記元の要素の内部属性項目の値を、転記先の要素の内部属性項目へコピーします。
- [属性転記(レイヤー内)]は、転記元と転記先が同一レイヤーの要素の場合に利用します。
- [属性転記(レイヤー間)]は、転記元と転記先が異なったレイヤーの要素の場合に利用します。
この時、「優先フィールド指定」にフィールドを指定すると、このフィールドで転記が行われた転記元要素のデータを、他のフィールドでも転記します。
ここでは、[属性転記(レイヤー間)]の場合について説明しますが、[属性転記(レイヤー内)]の場合も同じです。
※このページでは、以下のデータを利用しています。
国土数値情報ダウンロードサービス(JPGIS準拠データ) | 国土交通省
- ■ 設定方法
-
- 以下のように、
- 「駅」レイヤー:駅の位置を表すポイント
- 「駅:Voronoi」レイヤー:駅の勢力圏を表すポリゴン
- 「公示地価点」レイヤー:地価公示点を表すポイント
があるとします。
▼ 『公示地価点』ポイントは「公示価格」によって色別に描画されています
- [属性]-[属性転記(レイヤー間)]を実行して、駅勢力圏ポリゴンに含まれる地価公示点のポイントという空間的関係に基づいて、転記元であるポイントの属性をポリゴンの属性に転記する事にします。
[属性]-[属性転記(レイヤー間)]を実行します。
[属性転記(レイヤー間)]ダイアログが表示されますので、以下のように設定を行います。

[属性転記(レイヤー間)]ダイアログの各項目については、ヘルプを参照して下さい。
今回は[転記処理]として、「ポイント属性から包含ポリゴン属性(最大値)」を選択します。
- ■ [優先フィールド指定]について
- [優先フィールド指定]を「指定なし」とした場合と、「公示価格」に設定した場合について、転記されたフィールド値を比較してみます。
例えば、「祖師ヶ谷大蔵」の勢力圏ポリゴンに注目して、転記されるフィールド値を見てみます。
「祖師ヶ谷大蔵」の勢力圏ポリゴン内にある、公示地価点ポイントは8つです。

▼ 「祖師ヶ谷大蔵」の駅勢力圏内にある、『公示地価点』ポイントの属性テーブル
- [優先フィールド指定]を「指定なし」とした場合
- 『駅:Voronoi』ポリゴン属性テーブルには、次図のように転記されます。
ポリゴン属性テーブルの各フィールドには、フィールドごとに最大値が転記されます。
例えば、
- 「公示価格」にはID:70のポイントの値(=510000)
- 「住居表示」にはID:56のポイントの値(=東京都 世田谷区祖師谷6−4−24)
- 「地積」にはID:65のポイントの値(=346)
- 「駅からの距離」にはID:67のポイントの値(=1700)
が転記されます。
▼ 各フィールドごとに、「最大」の値が転記されます

↑ ↑ ↑

【注意点】
- 文字型フィールドの場合は、辞書的順序による大小比較となります。
- 1つのフィールド内で複数のポイントの値が最大値となる場合は、それらのうちどのポイントの値が転記されるかは不定です。
- [優先フィールド指定]を「公示価格」を指定した場合
- 『駅:Voronoi』ポリゴン属性テーブルには、次図のように転記されます。
「公示価格」が最大のポイント(ID:70)のデータが、転記する全てのフィールドに転記されます。
▼ 各フィールドに、ID:70 のポイントのフィールド値が転記されます

↑ ↑ ↑

※[優先フィールド指定]にフィールドを指定するのは、最大値、または、最小値を指定した処理で、複数のフィールドを転記する場合に[優先フィールド指定]で指定した属性項目で転記元となった要素の他の属性についても転記するという場合です。
|