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傾斜区分図(段彩図)の作成
傾斜区分(段彩図)は、周囲の標高メッシュを参照して傾斜を計算し、その傾斜角度をカラーグラデーションで表現した図です。
数値地図標高を取り込むと作成される標高メッシュプロジェクトファイル(*.nem)から傾斜区分図(段彩図)を作成する事ができます。
また等高線を付加する機能もあります。
■ 設定方法
  1. [ホーム]-[ファイル]-[新規]-[標高メッシュ]を選択します。

  2. [標高メッシュデータの組み立て]ダイアログボックスが表示されますので、設定を行ないます。
    設定方法については、ヒント集標高メッシュデータの組立 を参照して下さい。

  3. 標高メッシュデータをアクティブにして、[標高]-[効果]-[傾斜区分図(段彩図)]を選択します。

  4. [傾斜区分図(段彩図)]ダイアログボックスが表示されますので、詳細設定を行ない<OK>ボタンを押して下さい。
    傾斜区分のランク色分けは、<カラー設定>ボタンから表示される[カラー設定]ダイアログボックスで行ないます。
    [作成するビットマップ]
    作成するイメージデータのサイズを横・縦それぞれテキストエリアに指定します(単位はピクセル)。
    [実長に合わせて縦横の比率を調整する]チェックボックス
    ONの場合
    実長に合わせて縦横の比率を調整を調整したピクセル数になります。
    OFFの場合
    テキストエリアに入力した指定のピクセル数になります。
    <カラー設定>ボタン
    作成する傾斜区分図(段彩図)のカラーグラデーション設定を行います。
    [等高線]
    間隔
    等高線を描画する間隔をm単位で指定します。
    等高線が必要ない場合は、0に設定して下さい。
    光源側線色
    光源側の等高線を描画する色が表示されています。
    色を変更したい場合は、このパレットボタンを押すと、[色の設定]ダイアログボックスが表示されますので、好みの色に設定して下さい。
    通常は、白または明るい色を設定します。
    影源側線色
    光源と反対(影)側の等高線を描画する色が表示されています。
    色を変更したい場合は、このパレットボタンを押すと、[色の設定]ダイアログボックスが表示されますので、好みの色に設定して下さい。
    通常は、黒または暗い色を設定します。
    [境界モード]チェックボックス
    ONの場合、境界部分で計算不能なピクセルを"無効データ"扱いにした画像を作る事で、元の標高メッシュと画素・座標値を1:1に対応させます。
    [モード2]チェックボックス
    ONの場合、別式(→「■ 傾斜度算出のロジック」を参照)で傾斜角度を算出します。

  5. 設定を行い<OK>ボタンを押すと、傾斜区分図(段彩図)がイメージデータとして作成されます。

    4.の[傾斜区分図(段彩図)]ダイアログボックスの等高線間隔を0(ゼロ)m以上に設定すると、傾斜区分図(段彩図)に標高線を付加できます。

■ 傾斜度算出のロジック
PC-MAPPINGでは傾斜区分図を以下のロジックで生成しています。

あるメッシュ X,Y の時、標高値をh(X,Y)とすれば、
X-1,Y-1X,Y-1X+1,Y-1
X-1,YX,YX+1,Y
X-1,Y+1X,Y+1X+1,Y+1
傾斜のタンジェント fTan は

[従来の算出法]
fTan = sqrt(fA * fA + fB * fB) / 6 / fD
fD:メッシュのX方向の長さ
fA = ( h(X-1, Y-1) + h(X-1, Y) + h(X-1, Y+1) ) - ( h(X+1, Y-1) + h(X+1, Y) + h(X+1, Y+1) )
fB' = ( h(X-1, Y-1) + h(X, Y-1) + h(X+1, Y-1) ) - ( h(X-1, Y+1) + h(X,Y+1) + h(X+1, Y+1) )
fB = fB' / fDxy : fDxy はメッシュのX方向長さとY方向長さの比

[モード2の算出法]
fTan = sqrt(fA * fA + fB * fB) / 8 / fD
fD:メッシュのX方向の長さ
fA = ( h(X-1, Y-1) + h(X-1, Y) * 2 + h(X-1, Y+1) ) - ( h(X+1, Y-1) + h(X+1, Y) * 2 + h(X+1, Y+1) )
fB' = ( h(X-1, Y-1) + h(X, Y-1) * 2 + h(X+1, Y-1) ) - ( h(X-1, Y+1) + h(X, Y+1) * 2 + h(X+1, Y+1) )
fB = fB' / fDxy : fDxy はメッシュのX方向長さとY方向長さの比
(*)差分計算において、中央部分の係数を周りの2倍にしています。

これより傾斜角度 fDeg は
fDeg = atan(fTan)で求められます。