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バッファー選択
バッファー領域で領域検索を行う際、別レイヤーにバッファーポリゴンを作る事なく、選択されているアークやポイント(ノード、ポリゴンも可)からバーファーポリゴンを仮想的に生成して、包含される要素を選択できます。
また、バッファー値を直接数値入力する以外に、内部属性値(文字型、整数、実数型)を使用して、要素毎に指定できます。
操作方法については、バッファー生成 を参照して下さい。
■ 使用例(1)
  1. 選択したポイントから指定した範囲で仮想バッファーを生成し、バッファー領域に包含される医療機関(ポイント)を選択します。
    バッファーの生成を行うポイントを選択状態にします。

  2. [選択]-[個別選択]-[バッファー選択]を実行すると、[バッファーを生成して選択]ダイアログボックスが表示されます(現在アクティブなレイヤーに選択されているベクター要素がない場合、使用できません)。

    [生成バッファーを表示する]チェックボックスがONの場合、水色のクロス塗りでバッファ領域が3.のように表示されます。
    このブラシの設定は、[プロジェクトエキスパート]-[環境-1]パネルの「システムパレット」の「領域検索」を編集する事で、任意のパターンを表示できます。
    この解除は[選択]-[選択解除]-[バッファー表示解除]で行います。

  3. 設定を行い、<OK>ボタンを押すと、指定した範囲に包含される医療機関(ポイント)が選択状態となります。

■ 使用例(2)
  1. [バッファーを生成して選択]ダイアログボックスでは、「オーバーラップ率」が使用できます。
    チェックがONの場合、「選択対象要素」に対して、仮想バッファーのオーバーラップ率を指定します。
    「■ 使用例(1)」と同様に、個別選択でポイントを選択します。

  2. [バッファーを生成して選択]で、「オーバーラップ率」を使用せず、選択したポイントから300mの範囲内にある建物を選択します。

  3. ダイアログの設定後、<OK>ボタンをクリックして実行すると、以下のような結果が表示されます。

  4. ここで選択の方法として「オーバーラップ率」を使用してみます。
    仮想バッファ領域に「80%以上かかるポリゴン」を選択するという設定です。
    • 「対象要素」がポリゴンの場合は、その面積を元にオーバーラップ率を計算します。
    • 「対象要素」がアークの場合、その長さを元にオーバーラップ率を計算します。
      検索領域と同一線上にあるアークについては、検索領域に含まれていると判定します。
    ※「対象要素」がノード、ポイントの場合には、オーバーラップ率の値に関わらず、「部分包含」と同じ結果、すなわち、含まれるか、線上、となります。

    オーバーラップ率を設定しない場合と比較して、領域内に含まれる建物のうち、その面積の80%以上が範囲に含まれるものだけを選択状態にしているのが確認できます。
    3.の結果と比べてみて下さい。

■ 使用例(3)
  1. [バッファーを生成して選択]ダイアログボックスでは、「(アーク、ポリゴンからの場合は)RVCモードでバッファ生成する」オプションが使用できます。
    「■ 使用例(1)」と同様に、個別選択でアークを選択します。

  2. [バッファーを生成して選択]で、「RVCモードでバッファ生成する」を使用せず、選択したアークから5mの範囲内にある建物を選択します。

  3. ここで選択の方法として「RVCモードでバッファ生成する」を使用します。

    このチェックがONの場合、アークとポリゴンからのバッファーを生成するにあたっては、一旦アーク、またはポリゴンの外周を指定の距離に相当する半径の円を移動させて得られるイメージデータを作成し、これをラスター・ベクター変換します。
    補間点の多い、あるいは鋭角に折れ曲がるベクターに関してバッファ生成する場合、生成されたバッファー線が交差する等、確度に限界がありますが、RVCモードでは、これが解消されます。ただし、処理速度は一般に低下します。

    また、極端に大きい(広範囲にまたがる)アークやポリゴンを指定した場合は、RVCのために生成されるイメージのサイズが限定(現状内部的に最大2000*2000ピクセル)されるため、精度は低下します。

■ 使用例(4)
  1. [バッファーを生成して選択]ダイアログボックスでは、「中抜け(Hole)を考慮する (中抜けポリゴンとなるバッファーを取り除く)」オプションが使用できます。
    チェックがONの場合、閉塞したアークのバッファーや、複雑に重なるバッファーで、生成されたバッファーポリゴンの中抜けに相当する部分をバッファーとしては扱いません。
    「■ 使用例(1)」と同様に、個別選択でアークを選択します。

  2. [バッファーを生成して選択]で、「中抜け(Hole)を考慮する」を使用せず、選択したアークから50mのバッファー範囲内にある建物を選択します。

    ダイアログの設定後、<OK>ボタンをクリックして実行すると、以下のような結果が表示されます。

  3. ここで選択の方法として「中抜け(Hole)を考慮する」を使用します。

    以下のような結果が表示されます。
    この例では、生成された円形のバッファーポリゴンの中抜けに相当する部分(ドーナツ円の中心となる小さい円)をオプションでバッファーとして扱わないと設定されているので、2.の結果とは異なります。