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地殻変動による座標・標高補正
国土地理院で公開されている座標補正パラメーターファイルを使用して、PC-MAPPING上のベクターデータの座標を補正します(補正量が最大でも数10cm程度なので、イメージやメッシュデータなどには適しません)。
※このプログラムには、国土地理院長の承認を得て、同院の技術資料H-1・No.5「地殻変動に伴う座標値補正を行う座標補正ソフトウェアPatchJGD」を利用し作成したものである。
(承認番号 国地企調発第28号 平成17年4月21日)

※このページでは、 を使用しています。

※最新の座標補正パラメーターファイルは、以下よりダウンロードして下さい。
座標・標高補正パラメータ | 国土地理院
■ 注意点
  • 広域イメージも変換対象ですが、図郭四隅の座標情報を変換するのみなので、統合広域イメージなど広範囲のイメージの場合、精度的には甘くなりますのでご注意下さい。
  • Ver.8.016よりプロジェクトに登録されているポイントクラウドデータも変換対象としました。
    ただし、元のファイル名に「_PatchJGD」を付加した新しいファイルとして変換されたデータは同階層に保存されます(登録の差し替えは手動で行って下さい)。
  • 補正パラメーターは世界測地系に対応したものなので、世界測地系のデータにのみ適応し、補正パラメーターの存在範囲に限られます。
  • この機能を使用する前に、変換するファイルがどのようなデータ構造をしているか把握し、他のメディアやディスクに「手動」で必ずバックアップを取っておいて下さい。
  • 既に補正処理を実行したデータに対し、再度補正を行おうとすると、以下のようなメッセージが表示されます。

■ 設定方法(1)-座標補正
  1. 以下のようなプロジェクトがあるとします。

  2. [プロジェクト]-[変換]-[地殻変動による座標・標高補正]を実行すると、[地殻変動による座標・標高補正]ダイアログボックスが表示されます。
    補正パラメーターファイル
    座標補正パラメーターファイルを指定して下さい。
    パラメーターファイルの設定なしで処理を実行する事はできません。
    [図郭は変換せず、ベクター要素のみを変換する]チェックボックス
    ONの場合
    プロジェクトに登録されている各レイヤーの図郭は変換せずに、ベクター要素のみを変換します。
    OFFの場合
    図郭も同時に変換を行います。
    [広域ベクターも変換して、ファイルに保存する]チェックボックス
    ONの場合
    通常のレイヤーデータの変換と同様の処理を行い、なおかつファイルに保存します。
    OFFの場合
    広域ベクターの変換は行いません。
    [バックアップファイルを作成する]チェックボックス
    ONの場合
    上記オプションで、ファイルに保存するを選択した場合、変換前のファイル名に"-bak"を付け足したファイル名で変換前のファイルを確保します。
    ※個別ファイルに保存されるのは「広域ベクターのみ」です。通常のレイヤーや広域イメージは、個別に保存されません。
    OFFの場合
    バックアップファイルを作成せず、変換されたファイルのみ保存されます。
    [逆方向に変換する]チェックボックス
    ONの場合
    通常の方向に変換したデータを元の位置に戻す場合に利用できますが、同じデータを複数回変換すると、不正なデータとなりますので注意が必要です。
    OFFの場合
    通常の方向に変換します。
    [Z値(高さ)は補正しない(セミ・ダイナミック補正パラメーター)]チェックボックス
    ONの場合
    セミ・ダイナミック補正パラメーター(定常的な地殻変動量を補正するためのパラメーター)を指定したのみ、チェックが利用できます。
    補正時にXY方向のみを変換し、ベクターのZ値は補正処理を行いません。
    OFFの場合
    ベクターのZ値も補正します。
    [キーリストに登録]チェックボックス
    ONの場合
    [レイヤーエキスパート]-[キーリスト]パネルにテキストエリアに入力したキー=1として登録されます。
    OFFの場合
    キーリストには登録されません。
    <移動アークレイヤー生成>ボタン
    パラメーターファイルから、移動量・方向をアークで示したレイヤーを生成します。
    倍率
    アークを生成する際、移動量をどの程度の倍率で表現するかを設定します。

  3. <OK>ボタンを押すと、変換処理が実行されます。
    変換されたレイヤーには変換フラグが立ち、「この座標は世界測地系JGD2011(測地成果2011)です」がONになります。

    また、レイヤーのキーリストには、変換パラメーターが加えられます。

    メモには、図郭四隅情報などが加えられます。

    プロジェクトのメモには、変換に使用したパラメーターの説明、及び、全体の処理結果等が加えられます。

  4. 広域イメージについては、図郭四隅座標を変換しただけですので、補正後の状態を新たにイメージファイルとして保存したい場合は、[システム]-[広域イメージ]-[広域イメージツール]等で別途保存を行って下さい。

    ヒント集広域イメージツール
    ※ただし、NAI形式以外の、ワールドファイルやGEOTIFFでは、アフィン変換で表現可能な範囲の精度に丸められます。

■ 設定方法(2)-標高補正
  1. 以下のようなプロジェクトがあるとします。

    ポイント(「標高点」レイヤー)の固有内部属性Z値に、標高値がセットされているのが確認できます。

  2. [プロジェクト]-[変換]-[地殻変動による座標・標高補正]を実行すると、[地殻変動による座標・標高補正]ダイアログボックスが表示されます。
    「補正パラメーターファイル」に標高版の補正パラメーターファイルを指定します。

  3. <OK>ボタンを押すと、変換処理が実行されます。
    前述の「■ 設定方法(1)-座標補正」と同様に、変換されたレイヤーのキーリスト、メモ、[プロジェクトエキスパート]-[メモ]には、変換パラメーター等変換結果の情報が加えられます。

  4. 1.の結果と比較すると、XYの座標値に変化はありませんが、Z値が補正後、処理前の値とは異なる値になっている事が分かります。

■ 補足
  • キーリストの「JGD2011」は、Ver.7で、変換後のデータをシェープファイルにエクスポートする際のprjファイルのために必要な項目でしたが、Ver.8では「touhokutaiheiyouoki2011.par」による変換を行うと対象レイヤーの[この座標は世界測地系JGD2011です]チェックボックスがONになり、そのデータをシェープエクスポートすると、prjファイルには正しく測地系情報がエクスポートされますので、キーリストに設定する必要ありません。