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3Dプロジェクト作成 初級編@
OpenGLを使用すると、2次元の図面だけではなく、TIN、標高メッシュ、Z値などから作成される3次元の図面に対しても高品位な画像を作成する事ができます。
※OpenGLは3Dグラフィックスのレンダリングのための標準的なAPIで、Windowsのグラフィックドライバに強く依存します。マシンによっては表示のされ方が異なったり、最悪、表示できない場合もあります。
■ サンプル
サンプルデータ[3d16.zip(約45KB)]をダウンロードする
OpenGL.pcm:サンプルプロジェクト
PC-MAPPINGで作図される構造化ベクター要素は、属性としてZ値を持っています。
ここでは、建物ポリゴンのZ値を利用して、3D表示を行います。

■ 準備
  1. 3Dプロジェクトを作成する前に、使用するポリゴンの構成アークにZ値が付与されているかを確認します。

  2. Z値は[属性照会]ダイアログボックスのプルダウンから確認する事ができます(固有属性)。
    Z値が付与されていない場合は、[編集]-[Z値]メニューを使い、ポリゴン構成アークに対して、適当なZ値を与えて下さい。
    【Z値の付与について】
    このサンプルでは、ポリゴン属性に「高さ」フィールドを設定し、[編集]-[Z値]-[内部属性Z値・属性転記]を実行して構成アークに一括で転記しています。
    詳細は、ヒント集Z値付与の方法 を参照して下さい。

■ 操作方法
  1. [ツール]-[3D(OpenGL)]-[3Dプロジェクトの作成]を選択します。
    ※これ以降の設定は、一度3Dプロジェクトを作成後でも変更可能ですが、ここでは先に設定を行います(1.で何も変更せず、<OK>を押すと3Dプロジェクトが生成されます。その後で設定変更する場合も操作手順は同じです)。

  2. [新規プロジェクト]-[レイヤー]パネルには、現在のプロジェクトに登録されているレイヤーが表示されます。
    ※プロジェクトにTINが登録されていない場合は、TINパネルは表示されません。

  3. レイヤー<建物>をダブルクリックするか、「建物」レイヤーをリストで選択(青色反転)し、<レイヤーエキスパート>ボタンを押して[レイヤーエキスパート(建物)]を表示します。

    [レイヤーエキスパート(建物)]-[表示]パネル
    3Dプロジェクトで表現する「建物」レイヤーのベクター要素及び属性の表示などを指定します(この設定は3Dプロジェクトを作成した後での変更が可能です)。
    ここでは、
    • アーク線形:ON
    • ポリゴン形状:ON
    にします。この建物レイヤーでは、[ノード]パネル以外に詳細設定を行います。

    [レイヤーエキスパート(建物)]-[アーク]パネル
    アーク描画はベクタープロジェクトの場合と同じ状態にするため、
    • 「描画コード」フィールド:「線形」チェックON
    • 線形描画パラメーター:sample
    と設定します。
    [線形]・[補間点]
    描画フィールドチェック(赤いチェックマーク)
    アークの持つフィールドが表示されます。ここで赤いチェックを入れたフィールド値によって描画を行います。
    [線形]・[補間点]描画パラメーター
    ベクタープロジェクトで設定した[描画パラメーター]-[アーク描画ペン]をプルダウンから選択します。

    [レイヤーエキスパート(建物)]-[ポリゴン]パネル
    ポリゴン描画もベクタープロジェクトの場合と同じ状態にするため、
    • 「描画コード」フィールド:「描画」チェックON
    • 描画パラメーター:sample
    と設定します。
    [ポリゴン]
    描画フィールド
    ポリゴンの持つフィールドが表示されます。ここでチェックを入れたフィールド値によって描画を行います。
    描画パラメーター
    ベクタープロジェクトで設定した[描画パラメーター]-[ポリゴン描画ブラシ]をプルダウンから選択します。

  4. 同様に、「街区」レイヤーの[レイヤーエキスパート]を表示し、街区ポリゴンを構成するアークとポリゴン形状チェックをONにします。

    [レイヤーエキスパート(街区)]-[表示]パネル
    • アーク線形:ON
    • ポリゴン形状:ON

    [レイヤーエキスパート(街区)]-[アーク]パネル
    • 「描画コード」フィールド:「線形」チェックON
    • 線形描画パラメーター:sample

    [レイヤーエキスパート(街区)]-[ポリゴン]パネル
    • 「描画コード」フィールド:「描画」チェックON
    • 描画パラメーター:sample

  5. レイヤーの設定が終了したら、次に[描画]の設定を行います。
    [設定]-[描画パラメーター]メニューから[3Dプロジェクトエキスパート]-[描画]パネルを開いて下さい。
    ベクタープロジェクトで作成した描画パラメーター「sample」が登録されている事が分かります。

    ※ベクタープロジェクトから参照している描画パラメーター(ここでは「sample」)のペンやブラシパターンは、3Dプロジェクト内で変更はできますが、削除はできません。
    3Dプロジェクトで新規に追加した描画パターンは、変更も削除も行えます。

  6. 3D化する場合、ポリゴンは上面だけでなく、「側面」と「底面」も別途設定しなければなりません。
    そのため、ここでは、建物ポリゴンのブラシを修正します。

  7. [描画]パネル右側のリストから建物のブラシパターン(4:建物)を選択し、<編集>ボタンをクリックします。
    表示される[ポリゴン パターン設定]ダイアログボックスで、
    • 上面:ビル
    • 側面:チェックON/底面高=0m(色はデフォルトで上面と同じ色が指定されています。<設定>ボタンを押し、別の色に変更しても構いません)
    と設定します。

    側面ポリゴンの「底面高」「厚さ」の違いについては、ヒント集側面ポリゴンについて を参照して下さい。

  8. [ポリゴン パターン設定]ダイアログボックスを閉じ、[描画]パネルに戻ります。
    「側面」のパターンが追加されているのが分かります。

    ここで追加修正した描画パラメーターは[描画]パネルの<保存>ボタンで「凡例・描画パラメーターセット(pcp3)」として保存できます。
    また、保存されたパラメーターを読み込む場合は、ベクタプロジェクトと同様、<追加>-<ファイル読み込み>で行います。

  9. [レイヤー]パネルや各レイヤーの[レイヤーエキスパート]で設定した表示状態(チェックのON/OFFなど)は、[レイヤー]パネルの<登録・呼出>ボタンを押すと表示される[表示モード登録]ダイアログボックスで、名前を付けて保存、再度呼び出しが行えます。
    【登録パラメータについて】
    • [レイヤー]、[照明]、[システム描画]、[背景]、[TIN]の各パネルで<登録>した内容は、PC-MAPPINGのインストールされているフォルダのpcm.reg3に自動的に保存されます。
    • 3Dプロジェクト作成後においては、[ファイル]-[登録パラメータの保存]を行い、任意のファイル「***.reg3」を作成する事も可能です。→13.参照

  10. 以上のように設定を行った後、<OK>ボタンを押すと、3Dプロジェクトが生成されます。

  11. 画面上で右クリックすると表示されるポップアップメニュー、あるいは、[表示]-[マウス動作]以下のメニューから視点位置の変更や回転が行えます。
    ※[マウス動作]の操作方法は、各動作モードに入るとステータスバーに表示されます。

  12. [設定]-[照明]で種類を変更あるいは追加する事で、見栄えを変更できます。
    [照明]パネルも、9.の[レイヤー]と同様に、現在の設定状態を登録・呼び出しできます。

  13. また、現在のプロジェクトの表示設定を、3D登録パラメーターファイル(*.reg3)として保存する事ができます。
    保存できるのは、[レイヤー]、[照明]、[システム描画]、[TIN]、[背景]の各パネルで<登録>された情報です。
    9.でレイヤの表示モードを、12.で照明の設定情報を登録したため、[ファイル]-[登録パラメーター保存]を実行すると、[レイヤー]と[照明]だけが表示されます。

  14. [ファイル]-[名前を付けて保存]を実行すると、3Dプロジェクト(*.pcm3)として保存できます。
    保存されたファイルは、ベクターメニュー[ツール]-[3D(OpenGL)]-[3Dファイル読み込み]から開く事ができます。