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クイック属性照会拡張ツールチップ@
クイック属性照会は、[プロジェクトエキスパート]-[環境-1]パネルで設定し、通常は黄色のチップ内に表示されます。
表示項目の制御はレイヤーエキスパートの各ベクター要素パネルで行ないますが、形状や色、項目の表示方法などをHTMLライク(「ミニセット」)構文で修飾できるのが「拡張ツールチップ」です。
「拡張ツールチップ」は、該当するレイヤー要素の内部DBのキーリスト(「■ 「拡張ツールチップ」を用いたクイック属性照会@」参照)で(クイックシェイプに関しては、プロジェクトのキーリストが参照されます)以下のように記述する事で、ツールチップ内を表現できます。

AttrTipEx:1の場合「拡張ツールチップ」が使われます。
形状はバルーン型のツールチップで、以下のパラメーターが使用できます(※デフォルトは()内の数値になっています)。

  • AttrTipAnchorW:アンカーの幅(ピクセル)---(12)
  • AttrTipAnchorH:アンカーの高さ(ピクセル)---(16)
  • AttrTipColorBk:背景色 RGB(r, g, b) で指定---(Windows設定)
  • AttrTipColorBorder:輪郭色 RGB(r, g, b) で指定---(Windows設定)
  • AttrTipFadeIn:段階表示の間隔 ミリ秒で指定---(0)
  • AttrTipFadeOut:段階消去の間隔 ミリ秒で指定---(50)
  • AttrTipTransparency:透明度 0〜255---(0)
  • AttrTipAutoHide:1=マウス移動で自動消去する---(1)
    0にすると自動消去されなくなる。消去するには、他の場所のポップアップを出すか、現在表示されているツールチップ以外の場所をクリックするのが有効。
  • AttrTipHtml:HTMLライク(「ミニセット」)構文で修飾したHTMLファイル
  • AttrTipCss:HTML表現に関するCSSファイルを指定する
  • AttrTipMinScaleDenomi:表示する最小縮尺分母の指定(*)
  • AttrTipMaxScaleDenomi:表示する最大縮尺分母の指定(*)
    (*)現在の表示縮尺が指定範囲外にある場合は、ツールチップを表示しない

また、「拡張ツールチップ」に特殊なキーを記述する事により、コマンドの実行、リレーションの起動、レイアウトビューの表示を行なう事ができます。

【使用可能タグ】
br・hr・a・left・center・right・baseline・top・middle・vcenter・bottom・font・table・h1-h6・b・i・u・s・table・tr・td
などに限られます(※小文字)。

■ サンプル
サンプルデータ サンプル[vector62.zip(約650KB)]をダウンロードする
sample.pcm:サンプルプロジェクト
基準点1〜4.jpg:写真4枚
stop1.bmp・stop1.gif:アイコン画像
point.html・point3.html:レイアウトビューテンプレート
point2.html・point2_1.html・road2.html:拡張ツールチップテンプレート
 road2.xml:キーリストファイル
 tip2.css:スタイルシート

■ 準備
  1. ダウンロードしたファイルを解凍します。

  2. PC-MAPPINGを起動し、サンプルプロジェクト「sample.pcm」を開きます。
    [プロジェクトエキスパート]-[環境-1]パネルを開き、クイック属性照会の設定を確認して下さい。

    ※この[環境-1]パネルで<標準>ボタンを押すと、通常、「属性表示枠」のパレットには何も表示されていません。
    この空白状態が「黄色いツールチップ」表示の状態になります。

    また、このパターンはベクターで作成し、ユーザーが登録する事で、色や形状を任意に設定できます。
    ヒント集クイック属性照会
    【注意点】
    OSがVISTA/Windows7の場合は、属性表示枠の設定は無視されます(Ver.6でツールチップ以外を登録したプロジェクトをVer.7で開いてもデフォルトの黄色のツールチップで表示されます)。

■ 通常のクイック属性照会(チップ表示)
サンプルプロジェクトの「道路ネットワーク」レイヤーを前景にして、クイック属性照会を行ないます。
ここでは特に設定をしていないので、従来通りのチップ表示になっています。

■「拡張ツールチップ」を用いたクイック属性照会@
サンプルプロジェクトの「行政界」レイヤーを前景にして、クイック属性照会を行ないます。
バルーン形状で属性が表示されるのが分かります。

「行政界」レイヤーの[レイヤーエキスパート]-[ポリゴン]パネルを開き、<メモ・キーリスト>ボタンを押して下さい。

ポリゴン内部属性データベースのキーリストが表示されます。
ここでは、「AttrTipEx=1」(拡張ツールチップをデフォルト状態で使用)という設定を行なっています。

■「拡張ツールチップ」を用いたクイック属性照会A
サンプルプロジェクトの「建物」レイヤーを前景にして、クイック属性照会を行ないます。
@と同様に、バルーン形状で属性が表示されるのが分かります。

「建物」レイヤーの[レイヤーエキスパート]-[ポリゴン]パネルを開き、<メモ・キーリスト>ボタンを押して下さい。
ポリゴン内部属性データベースのキーリストが表示されます。
ここでは、「AttrTipEx=1」(拡張ツールチップをデフォルト状態で使用)という設定を行ない、以下パラメーターを設定しています。

「AttrTipColorBorder=255,255,255」
バルーンの枠色を白に指定
「AttrTipFadeIn=50」
デフォルトのフェードアウトの状態(50)と同様にフェードイン
「AttrTipColorBk=255,228,255」
バルーンの背景色を薄いピンクに指定

■「拡張ツールチップ」を用いたクイック属性照会B
サンプルプロジェクトの「基準点」レイヤーを前景にして、クイック属性照会を行ないます。
バルーン形状ではありますが、その中は@やAとは異なる形で属性が表示されるのが分かります。

「基準点」レイヤーの[レイヤーエキスパート]-[ポイント]パネルを開き、<メモ・キーリスト>ボタンを押して下さい。
ポイント内部属性データベースのキーリストが表示されます。
ここでは、「AttrTipEx=1」(拡張ツールチップをデフォルト状態で使用)という設定を行ない、以下パラメーターを設定しています。

「AttrTipHtml=point2.html」
point2.htmlを使用…「point2.html」はメモ帳などで開いてみて下さい
「AttrTipColorBk=255,255,255」
バルーンの背景色を白に指定
「AttrTipCss=tip2.css」
外部css"tip2.css"を使用…「tip2.css」はメモ帳などで開いてみて下さい
「AttrTipAutoHide=0」
レイアウトビュー・リレーション起動の設定があるので、マウスを移動させてもバルーンが自動消去しないようにする

また、特殊なキーとして、
<a msg="">があります。
msg="@LayoutView"
アンカーをクリックしてレイアウトビューを起動
msg="@DbCall"
アンカーをクリックしてリンクDBを呼び出し
msg="@DbCall (フィールド名)"で特定のフィールドを指定できる
msg="@Relation"
アンカーをクリックしてリレーション起動
msg="@Relation (フィールド名)"で特定のフィールドを指定できる
のように用います。
同様に、<bmp file=(パス名)>はビットマップを表示します。
ビットマップ以外のイメージファイル(JPEG/PNG/GIFなど)は<img file=(パス名)>で表示されます。
<a href="cmd:コマンド">はコマンドを実行します。
<a href="layoutview:htmlファイルパス">はレイアウトビュー登録されていないテンプレート(HTMLファイル)でレイアウトビュー表示します。

「point2.html」でも上のような特殊なキーを実際に使っていますので、ソースを見て確認して下さい。
  • --@:<a msg="@LayoutView">
  • --A:<a href="layoutview:point3.html">
  • --B:<a msg="@Relation (写真1)">
  • --C:<a msg="@Relation (写真2)">
※レイアウトビューの設定は、「基準点」レイヤーの[レイヤーエキスパート]-[キーリスト]パネルで行なっています。
[キーリスト]を使ったレイアウトビューの設定方法については、ヒント集レイアウトビューの利用方法@ を参照して下さい。

また、「AttrTipHtml=point2_1.html」とすると、
  • --@:<img file="@(写真1)">
  • --A:<img file="@(写真2)">
のように拡張ツールチップ内にイメージを表示する事が可能です。

■ 「拡張ツールチップ」を用いたクイック属性照会C
テンプレートにHTMLファイルを設定せずに計算フィールドを使用して表示します。
バルーン型のツールチップ内を簡易的に表示属性の並び順、表示位置を編集する場合に使用します。
例として、ここでは建物ポリゴンからポイントを生成し、そのポイントにクイック照会を行ないます。

【注意】
HTML形式で記述すると計算フィールドのデフォルトの最大長(1023)を超える場合があります。
そのような場合には、pcm.iniファイルに追加記述する事で、最大16000までの値を指定できます。
ヒント集Pcm.iniファイルA 「■ 計算フィールドの最大長を指定する」

「建物」レイヤーの[レイヤーエキスパート]-[ポイント]パネルを開き、<メモ・キーリスト>ボタンを押して下さい。
ポリゴン内部属性データベースのキーリストが表示されます。
ここでは、「AttrTipEx=1」(拡張ツールチップをデフォルト状態で使用)という設定を行ない、以下パラメーターを設定しています。

「建物」レイヤーの[レイヤーエキスパート]-[ポイント]パネルの<追加>ボタンで新規にフィールドを作成します。
ここでは、
  • フィールド名:「ツールチップ」
  • スタイル:「文字型」
  • 「計算フィールド」チェックボックス:ON
にします。

「計算フィールド」の「>>」ボタンを押し、ここにHTMLタグを使用して文字列を記述します。
ここでは、「個別番号」と「名称」フィールドを2列表示するよう記述しています。

※なお、HTMLライクであって、フルセットではないので、使えるタグは
br・hr・a・left・center・right・baseline・top・middle・vcenter・bottom・font・table・h1-h6・b・i・u・s・table・tr・td
などに限られます(※小文字)。

さらに、「建物」レイヤーの[レイヤーエキスパート]-[ポリゴン]パネルの<表示制御>ボタンを押し、計算フィールドを記述した「ツールチップ」フィールドの「クイック照会対象」チェックボックスをONにします。

すると、以下のように拡張ツールチップの枠内に計算フィールドで記述したHTMLタグの状態で表示されます。

■ キーリストファイルの利用
キーリストの情報は、XML形式のファイルで保存し、別のプロジェクトで読み込む事もできます。
サンプルの以下のファイルを使って、デフォルトツールチップ表示のアーク(道路ネットワーク)に関して「拡張ツールチップ」設定を行ないます。
その際、キーや値を手入力するのではなく、既にXML形式で作成しておいたキーリストファイルを読み込みます。

  1. サンプルプロジェクト「sample.pcm」を開き、「道路ネットワーク」レイヤーを前景にします。
    「道路ネットワーク」レイヤーの[レイヤーエキスパート]-[アーク]パネルを開きます。

  2. <メモ・キーリスト>ボタンを押すと、[属性データベース設定]ダイアログボックスが開き、キーリストが表示されます。
    現段階では何も登録されていません。

  3. ここで、<読込>ボタンを押し、「road2.html」テンプレートを使って拡張ツールチップ表示の設定をするという情報を持った「road2.xml」ファイルを読み込みます(XMLファイルはメモ帳などで中身を確認できます)。
    [ファイルを開く]ダイアログボックスで、「road2.xml」を指定します。

  4. 「road2.xml」が読み込まれると、キーと値が入力されているのが分かります。

  5. この状態で<OK>ボタンを押し、ベクター画面に戻ります。
    道路アーク上にマウスを合わせると、以下のように拡張ツールチップ表示が行なわれます。

    このXMLファイルでは、拡張ツールチップによる属性照会を行なう縮尺を
    • AttrTipMinScaleDenomi = 25000
    • AttrTipMaxScaleDenomi = 5000
    と設定してあるため、縮尺1/25000〜1/500の範囲ではツールチップを表示し、それ以外では表示されません。
    上の画面では1/10000のため表示されているが、下の場合は1/4500のため、道路アークにマウスを合わせてもツールチップが表示されていないのが分かります。